ATフィールド
EDMが好きだ。
オネハが好きだ。
クラブミュージックが好きだ。
二丁目のクラブで酒を買って
手首にスタンプを押して貰って
僕はここに居てもいいんだと
息を吐きながら周りを見渡すと孤独と虚無に覆われる。
久しぶりに感じたそれは膜のようなものでカラダと頭を冷静にさせられる。
思えばこの街に出てきて10年。
未だにこんな感覚に襲われるとは。
あの頃、知り合いも多くなかった。
それでも金曜日仕事が終わると二丁目に向かっていた。
誰かに会える気がしていたから。
1人じゃない気がしていたから。
でも周りに多くの人が居て1人じゃなくても
数少ない知り合いと軽い挨拶をしても
結局は独りなんだと気付かされる。
昨日は親友と一緒にそんな感覚を共有出来た。
あの頃の自分からすれば大きな成長だ。
目の前にいるモテ筋の短髪を眺めながら
「私たちはああいう風な生き方も出来たよね。
でも、私たちはそうしなかった。」
あの頃の自分から10年。
あの頃に感じてた膜はドレスになりウィッグになり私はそれを纏っている。
でもそれでいいと思う。人生。