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初女装


きっかけは何だったのだろう?
運命の歯車は、いつまわりだしたのか?

時の流れのはるかな底から
その答えをひろいあげるのは、
今となっては不可能にちかい…

 

 

 

…そんな事はない。

 

 

初めて女装した日を私は鮮明に覚えている。

 

 

アレは2012年の8/11の

新宿二丁目アキバナイト

 

 

あの頃Twitterも勢いがあってエヴァネタで
やり取りしあったエヴァクラスタというエヴァヲタの集まりがあった。

 

その中の1人といつかミサトとリツコの女装をやろうと話していたのだ。

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やれるとは思えなかった。
だけど私たちはやった。

いつかではなく次回のアキバナイトでやろう!と納期設定をした。

 


私は事前にドラァグクィーンの友人に
北千住のカラオケ屋でメイクを教えてもらった。やる気満々かよ。

 

利用時間1時間で入店するも時間内に終わらず。

退店時間になり半化粧したまま北千住駅前ロータリーのベンチへ移動した。

 

人の目も気にせず野外で女装メイクの続きをしていると元ヤクザが話しかけてきた。


彼はおかしな眉毛をしていた。

眉間は繋がってはいないものの、極太マッキーで描いた両津勘吉のような眉毛をしているのだ。

 

話を聞くと寝ている時に兄貴分に勝手に眉毛に刺青を入れられていたのだという。

そこで眉毛を潰してメイクをしている自分に興味を持ち話しかけてきたのだという。


こんな地獄ってある?
北千住は業が深い街である。

 

少しコンシーラーで眉毛を消してあげたら嬉しそうな顔をして、足立区の闇に消えていった。

 

何の話だっけ?


そう初女装の話ね。


私はミサトを担当したんだけど、ウィッグも衣装も化粧も楽天で買いました。便利。

 

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通販生活が女装を甘やかす。

 

 

アキバナイト当日。
場所無しの私たちはビックスビルの障害者用トイレで塗った。
迷惑極まりない趣味女である。

その時はまだ舞台用の眉潰しの存在を知らず
スティックのりを眉毛にぬり、乾かしてその上にコンシーラーを重ねるという地獄のような工程をしていた。

 

 

真夏のトイレを汗ばむ。
思うようにのりが乾かない。
アイラインを引く手が震える。
つけまが上手く付けられない。

 


こんな地獄ってある?

 

 

なかなかメイクが終わらず悪戦苦闘していると
コンコン!とノックがなる。

 

 

 

(通報された…!?)

 

 

死ぬ。社会的に死ぬ。

 

 

「長時間ご利用されてると聞いたんですが大丈夫ですか〜?」

 

警備員の声に「大丈夫です!」

 

とギリギリで仕上げたミサトとリツコの格好のままハイヒールをコツコツ鳴らし、素知らぬ顔でエスカレーターへ向かった。後ろは振り向かない。

 

 

勝った。
私たちはやり切ったのである。
まだアキバナイトに行ってもないの達成感。

 

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とまぁ、こんな死線をくぐりぬけ初女装メイクは終わった。

 

これ以降、私は頭のおかしなパリピとパーティーの度に女装をしているが、リツコはこれっきりであった。

人生、何がキッカケになるかは分からないものである。

 

あれから何回かメイクもしてるが、
メイクは不思議なもので毎回反省点が出てくる。

100点満点の女装が出来る時が来るだろうか。

 

そして私は何を目指しているのだろうか。


分からない。

 

人生。